【アニメ】『はたらく細胞』を観たけど、薬学部在学中に出会いたかった【レビュー】

アニメ


こんにちは!薬学部卒だけど薬剤師資格は持ってないgtgtです!

先日Netflixに加入したので、前々から気になっていたアニメ『はたらく細胞』を全話視聴しました。
TVアニメ『はたらく細胞』公式サイト

本作は、人間の身体の中の、さまざまな「はたらく細胞」を擬人化したコメディ作品です。単純にアニメ作品としても面白いですし、生理学・病理学の知識もてんこ盛りながら、わかりやすくデフォルメされているので楽しく視聴できました。薬学部を卒業した身から見てもよくできているという印象で、できれば在学中にこの作品を観て勉強したかった……と思うほどです。

アニメ二期制作も決定しているようなので、気になっている方はこれを機にぜひチェックしてみてください!
Netflix アニメ『はたらく細胞』

健康第一!細胞たちの奮闘記

人の細胞の数は、新説によればおよそ37兆個と言われます。この作品は、そんな体の中ではたらいている「細胞」たちのドラマです。

登場人物は主に血球たち。主人公は赤血球と白血球(厳密には、白血球の一種「好中球」)。

赤血球は、身体じゅうに酸素を運び、不要になった二酸化炭素を肺へと送り戻す細胞。主人公の赤血球は、他の赤血球とくらべてかなりの方向オンチ。毎日のように道に迷っては、間違ってリンパ管に迷い込んで他の細胞に怒られたり、侵入した細菌と遭遇して鬼ごっこに発展したり……。ときには、免疫細胞の一種で、体内に侵入した細菌やウイルスをやっつける細胞である白血球に助けられ、毎日の仕事に奮闘してゆきます。

その他、身体の傷ついたところを修復する「血小板」や、「マクロファージ」「T細胞」など、さまざまな個性を持った細胞たちに出会いながら、赤血球は広い体内を駆け巡っていきます。

科学知識モノとして楽しむ

身体や病気のしくみをコミカルに表現!

私たちの身体には日々、外傷、ウイルス・細菌やアレルゲンの侵入、暑さや寒さ、さらには細胞分裂のエラーを起こしたがん細胞など、さまざまな危険が訪れます。けれど、ちょっとした傷や、多少ウイルス・細菌が侵入したくらいでは死にませんし、誰もが日常的に「がん」に罹っているわけではありませんよね。

傷ができたら、どのように治っていくのか。ウイルスや細菌、アレルゲンは体内でどんなふうに悪さをするのか。暑いときに身体はどう対処するのか。健康な体ではがん細胞が生まれてもいわゆる「がん」にならないのはなぜか。知りたいと思ったことはありませんか?

本作ではこんな危険に細胞たちがどのように対処し、どのように健康が守られているのか、そして健康が失われたときには身体の中で何が起きているのかが、わかりやすくコミカルに表現されています。

一般的に馴染みのない細胞の名前や病名、ウイルス名などが出てくることもありますが、その都度ナレーションで説明が入りますので、「身体の仕組みなんて、義務教育レベルのことしか知らない」という方でも楽しめるつくりになっています。

ちなみにアニメ版の各話テーマは以下のとおりです。

肺炎球菌
すり傷
インフルエンザ
食中毒
スギ花粉アレルギー
赤芽球と骨髄球
がん細胞
血液循環
胸腺細胞
黄色ブドウ球菌
熱中症
出血性ショック(前・後編)
(特別編)風邪症候群

知識があると細部まで楽しめる

本作は、説明の入らない細部まで配慮されて設定されているようで、生理学や病理学的な知識のある方だと、より楽しめる仕上がりになってます。

例えば、「細菌」と「ウイルス」の描き分け。

『はたらく細胞』における細菌

人間型もしくはモンスター型
意志があり、言葉を話す
細胞たちを栄養分にしようと襲いかかる

『はたらく細胞』におけるウイルス

帽子型(口だけがついていたりする)
言葉は話さない
細胞の頭にとりついて操り、仲間を増やさせる

一般的には混同されがちな細菌とウイルスですが、本作では科学的に解明されていることにのっとり、区別して描かれています。いやあ嬉しい。

また、「食中毒」の回では、生鮮魚介類由来とみられる食中毒菌「腸炎ビブリオ」が体内に侵入します。でも、実際のところ「腸炎ビブリオ」が食中毒の原因として報告されることって非常に少ないのです(平成29年は全国で起きた腸炎ビブリオの事件数は5件でした。細菌性食中毒で最も多かった原因はカンピロバクターで307件です)。
参考:平成29年食中毒発生状況(厚生労働省)

「なんで食中毒の回でわざわざマイナーなのを……」と思いながら視聴していると、胃壁に異変が起こったようで……? 続きは本編で!!

仕事モノとして見ても楽しい

本作では、独自の仕事を任せられて頑張る細胞たちがクローズアップされています。分化途中(つまり、研修中)の細胞から、プロフェッショナルな細胞まで、さまざまな細胞たちが自分たちの仕事に頑張り、失敗して叱られながらも成長していくさまが描かれています。

ときに仕事のやりがいに喜び、ときに自分の不出来さに落ち込み、困難さにぶつかって……それでも前を向き、自分の仕事を全うしようとする細胞たちが、なんだかけなげでとてもグッときます。

「はたらく」ということが、この作品の裏テーマといってもいいかもしれませんね。特に「出血性ショック」の話は、「はたらく」ということに強く焦点があてられていました。

全話を通して、月並みですが、自分も頑張るかな……って思える仕上がりです。

まとめ

身体の成り立ちとして事実と違う部分ももちろんあるのですが(血管壁も細胞のはずだけど、本作はコンクリの道路になっているなど)、身体や病気の仕組みを知るにはとても良質なコンテンツです。エンタメとしてはもちろん、学問の入り口に立つのにも役立つアニメだと感じました。

科学系エンタメがお好きな方はきっと気に入ると思います。Netflix会員なら無料で全話視聴できますので、ぜひチェックしてみてください。
Netflix

ちなみに原作漫画は2019年4月現在も連載中です。機を見て原作漫画も読んでみようと思います。