【漫画】生物の進化と生存戦略が見事!『天地創造デザイン部』【レビュー】

漫画


こんにちは!生物ドキュメンタリー番組が大好きなガタガタです。

『月刊モーニングtwo』にて連載中の漫画、『天地創造デザイン部』が非常に面白いです。

ヘンな生き物がいるのは、私たちのしわざ。
地上に存在する、さまざまな動物たち。彼らはなぜ「そのような形状・生態」となったのか……。実は天上には、生き物をデザインする「デザイン部」があったのだ!
(公式サイトより引用)

地球上の生き物たちは、その生息地の環境に合わせて、とても多様なデザインになっています。その見事な適応っぷりを見て、「生物の進化は偶然じゃない、誰かの意志が働きかけてるのでは?」なんて空想したことはありませんか?

本作では、天上に存在する「デザイン部」の人々が、神様の依頼を受けてさまざまな生物をデザイン、製造していきます。多種多様な生物たちはどのように設計されているのか、なぜそんなデザインになってしまったのか? そんなことを考えるのが好きな人にはぜひ読んでいただきたいです!

こんな人にオススメ

生物ドキュメンタリー番組が好き
生物の進化や生態に興味がある
架空の生き物が実在するとどうなるか気になる

舞台は神様の「下請け会社」

はじめに天地創造があった
万能の神はすべてを造り給うた
光・水・大地を造り
そしてそこに住まう生き物を……動物たちを……

造ろうと思ったけど面倒になって 下請けに出した
(引用:『天地創造デザイン部』第一巻)

生き物たちのデザイン・製造を行う「天地創造社 デザイン部」。ここでは神様(クライアント)からのさまざまな依頼を受け、今日も個性あふれるクリエイターたちが新たな動物の創造に奮闘しています。

……とはいっても、デザインばかりがよくても、生物が生存・繁栄できなければ、下界(自然界)へ下ろしても意味がありません。生物の体のデザインは、どんな問題を抱えているのか?それを解決する方法はないのか? この漫画では、そんな生物の体の仕組みや、進化(つまり、デザインの変化)によって可能にしたことなど、とても興味深いテーマを楽しく読むことができます。

生き物の身体の機能がわかる

首の長いキリンは脳貧血になる?

第1話では、神様から「すっごい高いところの葉っぱを食べられる動物」との依頼が届きます。

「高いところの葉っぱを食べる」といえばやはりキリンです。長い首のおかげで高所の葉も食べられるようになったキリンですが、そもそもあれだけ長い首を持つことで、何か問題になることはなかったか、考えたことはありますか?

実は、ただ首が長いだけだと、心臓から送り出された血液が遠くの脳まで届きづらくなり、脳貧血を起こしてしまうのです。かといって脳まで血液が行き渡るような心臓をつくると、心臓が超巨大になり実現不能になってしまいますし、長い首を使って頭を上下させたときの立ち眩みも問題になります。

では実在するキリンは、どのようにしてこの問題を解決したのでしょうか?

第1話では、天上のデザイナーたちがこれらの問題に取り組み、「首が長くて高いところの葉っぱをたべられる生物(=キリン)」の実現に挑戦します。このように、ほぼ毎話クライアントの神様から舞い込んでくる無理難題に、デザイナーたちが知恵を出し合い、ダメ出しにキレながら試行錯誤して「新たな生物」のデザインに取り組みます。奇想天外な生物のデザインにもきちんと意味があり、それぞれが環境に適応するために進化を遂げてきたことがわかり、この漫画を読むと生き物を見る目がガラリとかわること間違いなしです。

さらに単行本では、1話ごとに作中で登場した生物の写真付きプチ図鑑がつけられており、より詳しい生態の解説を読むことができます。

弱肉強食を生き残る方法

ヘビVS鳥、イルカVSイカ!!仁義なき生存戦略

生物は、時に他の生物を食べることがあります。食物連鎖ピラミッドの下層に分類される生物が生き残り、子孫を反映させるためには、天敵から逃れる必要があるのです。

木をのぼり、卵を丸のみする天敵のヘビから逃げるため、ハタオリドリがとった戦略は? 音波で獲物の位置を感知し、素早く泳いで襲撃するイルカをかわすために、イカはどのような行動をとるのか?

本作ではデザイナーたちが、自分のお気に入りの創作物(生物)をより優位に立たせるためのアップデートを繰り返し、生き残りをかけた戦略を繰り広げます。ときにはクリエイター同士のアップデートバトルに発展することもあり、生き残りをかけたアップデートの応酬はさながらポケモンバトルのようで、はたしてどちらが勝利するか?とてもワクワクしながら生物たちの生存戦略を学べます。

架空の生き物が実在するとどうなる?

大量の馬糞を空から投下するペガサス!?

この漫画のおもしろいところは、実在の生き物だけではなく、架空の生き物を実在させるとどうなるかも楽しく解説されている点です。

例えば、馬に空を飛ばさせる、つまりペガサスを作るとどうなるでしょうか?

まず、空を飛ぶためには身体をできるだけ軽くする必要があります。一方で力強く羽ばたく翼をつけるためには、強靭な筋肉も必要です。ということは……ムキムキマッチョボディと巨大な翼、そして不要な排泄物をドンドン体外に出すペガサスが実現する……!?

その他にもユニコーンや龍など、架空の生物を実現させるにはどのような機能が必要か、ユニークな表現で学ぶことができます。

まとめ:生物好き必読の科学コメディ

本作は生物を「デザイナーの創作物」という新しい切り口から見つめ、斬新な視点からそのデザインと機能の秀逸さを描いており、とても楽しく読むことができる、新しい生物の教科書といってもいいでしょう。

生き物の進化や生態の話が好きなら、いや好きじゃなくても一度は読むべき!

なんと公式サイトから1話を試し読みできます。興味がある方はぜひ読んでみてください!

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